大伴旅人おおとものたびとは、太宰府に於て、妻大伴郎女おおとものいらつめを亡くした(神亀五年)。その時京師から弔問が来たのにこたえた歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
って鑑賞者は、この歌の作者は憶良でも、旅人の妻即ち大伴郎女おおとものいらつめの死を念中に持って味うことが必要なのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)