大乗的だいじょうてき)” の例文
という畏怖いふのみが先だって、信長が、武門の節義を正すためにえてした大乗的だいじょうてきな憤りまでを読み知ることはできないのである。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし事自身が悪いことでもないのだから、社会的調和性ちょうわせいがあるなら、譲歩じょうほ出来ぬほどのことでもない。青年が、正義を愛することは正しい傾向だが、小正義を偏愛することは大乗的だいじょうてきでない。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
という宇喜多直家の一言ひとことには、対立も、家中の異論も、ことごとく沈黙のほかなかった。その大乗的だいじょうてきな観点のもとに、衆心は一つになって、即座に
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つねに仰っしゃる大乗的だいじょうてきなお考えに似げないおことば。叡山えいざんばかりのことではありますまい。興る者、亡ぶ者、春去れば秋の来るように繰りかえしている地上のすがたです。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)