変目かわりめ)” の例文
蘿月は若い時分したい放題身を持崩もちくずした道楽の名残なごりとて時候の変目かわりめといえば今だに骨の節々ふしぶしが痛むので、いつも人より先に秋の立つのを知るのである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それより時候の変目かわりめごとに打身に相悩み候やうに相なり、最早もはや二度とはかの大木には登れそうにもなき身に相なり申候。左候得者さそうらえば、樹上の大金は再び手にすることも出来かねわけなり。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
大抵は三月目位にて、庭の花にはあらねど時候の変目かわりめが色のかはり目とはなるなりけり。然れどもこれは後より言ふはなしにて始より一季半季ときまりをつけて掛るわけではさらさらなし。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)