堅造かたざう)” の例文
「あツ、待ちねえ。親分と來た日には江戸一番の堅造かたざうだ。こんなもの取次ぐと、俺は毆り倒されるぜ」
遠い從兄妹いとこ同士だし、無類の堅造かたざうだから、女のゐない國へ行きたいやうな顏をしてゐるでせう。
「最初はおこのねたましかつたんだらう、ところが、金次郎といふ男は正直者で堅造かたざうでお糸には眼もくれなかつた、そこでお糸は慾に轉んだ。——あの二人が死ぬと、越後屋の跡取りは默つて居てもお糸に廻つて來る」