坪縁つぼえん)” の例文
高い所に、角な切り窓が一つあるほか、明りの入る坪縁つぼえんもなくかよい廊もなかった。洞然どうぜんたる幾つかの箱部屋と荒土の塗籠ぬりごめである。これではどんな忍びの者も外部から御座ぎょざへ近づくことはできまい。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)