四時しいじ)” の例文
その証拠には、彼が四時しいじの珍しい土産物を積んで行くさきといえば、つねにきまって、江州奉行閣下蔡九さいきゅうの私邸であった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またもし自然描写に興味が動くならば、そこにも四時しいじのさまざまな情景が一つの系列として現われてくるであろう。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
此地は廣袤くわうばう幾里の間、四時しいじ春なる芳園にして、其中央なる石級上にアマルフイイのまちあり。西北の風絶て至ることなければ、寒さといふものを知らず。
芝居見物、温泉旅行、春風秋月四時しいじの行楽、一として意の如くならざるものなければ、俗に言う御心善おこころよしの内君は身の安楽を喜び、世間の贅沢附合ぜいたくつきあいに浮かれて内を外にし
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)