嚮導者きょうどうしゃ)” の例文
軍の嚮導者きょうどうしゃたることを志すものがあり、あるいは徳川幕府より僧侶そうりょに与えた宗門権の破棄と神葬復礼との方向に突き進むものがあって
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
また嚮導者きょうどうしゃとしては欠乏を持っている。そしてそのあらゆる満足はただ欲情を満たすことである。彼らは恐ろしく貪慾どんよくである。
独断的信条のうちに化石しもしくは利得のために堕落したる人種は、文化の嚮導者きょうどうしゃとしては不適当である。偶像もしくは金銭の前に跪坐きざすることは、歩行の筋肉と前進の意志とを萎縮いしゅくさせる。
そればかりでない、帰国後の景蔵は香蔵と力をあわせ、東濃地方にある平田諸門人を語らい、来たるべき東山道軍のためによき嚮導者きょうどうしゃたることを期している。それを知った時は半蔵の胸もおどった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)