唐竹からたけ)” の例文
北西の町は北側にずっと倉が並んでいるが、隔てのかきには唐竹からたけが植えられて、松の木の多いのは雪を楽しむためである。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
万歳万歳のあっちこっちでは黒のコサック帽の、緋の上衣の、青ズボンの、髯むじゃ露助の助けて助けてに真向、拝み討ち、唐竹からたけ割り、逃げる腰から諸手もろて突き
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
が、榕樹の生えている周囲を、海の水あかりで、二、三度探して回ってみたけれども、そこらは一面に唐竹からたけが密生しているだけで、水らしいものは、すこしも見当らない。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
真っ向から唐竹からたけに割りつけられて、満顔くれないみた姿を下へ落としてきた意外な惨状さんじょうは、同じように、石垣のわきに身をひそめていた龍平の眼にもありありと映じたでありましょう。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むやみとパンパンはぜる花火のほうが江戸っ子の唐竹からたけ気性にずっとかないましたものか、年一年と花火にお株を奪われまして、ただいまではまったくその面影すらもとどめていないようですが