和光わこう)” の例文
その中に二銭にせん団洲だんしゅうと呼ばれた、和光わこう不破伴左衛門ふわばんざえもんが、編笠あみがさを片手に見得みえをしている。少年は舞台に見入ったまま、ほとんど息さえもつこうとしない。彼にもそんな時代があった。……
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
柳営の春は和光わこうにみち、天下はなぎのごとく治まっていると思いのほか、いつか西都せいとに皇学の義が盛んに唱えられ、公卿くげと西国大名の間に、恐るべき叛逆はんぎゃくの密謀が着々として進んでいるというのは
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)