呪術じゅじゅつ)” の例文
すると五郎は呪術じゅじゅつにかかったように、眼が動かせなくなった。顔を上に向けたまま、そろそろ横に動いて、電柱につかまった。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
総じては一般の原始的宗教や呪術じゅじゅつやに関する学術的研究の上から、こまかに考えられねばならぬことであるが、そういう研究が十分に試みられたかどうか。
鰯の頭も信心と言うが護符や呪術じゅじゅつは随分信ぜぬ人にも効く、これは人々の不自覚識サブリミナル・セルフに自然感受してから身体の患部に応通するのだとマヤースの『ヒューマン・パーソナリチー篇』に詳論がある
環境は変化するし、権威のある観念や言葉も変化するが、しかしよく検討してみれば、神話や、タブーや、迷信や、呪術じゅじゅつや、ことばの魔術は、原始社会と同じように依然として政治を支配している。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
禁厭きんよう祈祷きとう呪術じゅじゅつ等いろいろ迷い出すに至ります。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
種々の呪術じゅじゅつや原始的な宗教心のあらわれとしての神の祭祀やが、その配下の民衆のために、かれらによって行われ、それが政治の一つのはたらきとなっていた。
それに現われているように、アイヌが神の力、呪術じゅじゅつの力を頼むことの強いのも、そういう生活によって特に刺戟せられたところもあろうと思われるが、農業本位であり
呪術じゅじゅつ宗教的な信仰として、例えば見知らぬ人を邪霊のついているものとして恐れるような、ならわしのあった点において、人に対する同情というこころもち、従って人を人として重んずる気分
日本歴史の特性 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)