周章気味あわてぎみ)” の例文
旧字:周章氣味
渠も直ぐ礼を返したが、少し周章気味あわてぎみになつてチラリと其男を見た。二十六七の、少し吊つた眼に才気の輝いた、皮膚はだ滑らかに苦味走つた顔。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「右足のない梟」はすこし周章気味あわてぎみで、机の上や、壁との間の隙間や、はては机の抽出ひきだしまで探してみた。だが彼の探しているものはとうとう見付からなかった。彼の顔はだんだんとあおざめてきた。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)