吸取紙すいとりがみ)” の例文
僕の五感は針のように鋭敏になって一瞬のうちにありとあらゆるところを吸取紙すいとりがみのように吸いとってしまった。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
先ず書斎の机の上に使い古した吸取紙すいとりがみがあって、それに黒々と右の拇指おやゆびの指紋が現れていた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
大匙へ一杯ずつすくって油の中へそうっと落して気長に揚げますが揚がったと思う時分小楊子こようじを刺し込んでみて何も着いて来なければ新聞紙か西洋紙の吸取紙すいとりがみの上へ一つ一つ置いて油を切ります。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それから彼は卓子テーブルの下へくぐりこむと床に顔を押しつけんばかりにしてあちこち調べていたが、吸取紙すいとりがみを四つに切って、四人の足の下と思われるあたりの床の上に、吸取紙すいとりがみをジッと押しつけ
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)