名聞めいぶん)” の例文
「明らかに道場やぶりに来たようでしたし、海保さんたち三人が負けたものですから、道場の名聞めいぶんのためにどうしても勝たなければならなかったのです」
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しかし、深く考えて見れば、一時の勢いと名聞めいぶんにこだわって、憎み得ない同士が、かばねを積み、城を焼き、以って、一生の事終れりとなすなどは、実に愚である。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
両親ふたおやともとうに無くなって、他に兄弟と云うものもないので、親類の老人達は彼に結婚させようとしてうるさく勧めたが、彼はそれに耳を傾けないし、また、彼に財産の多いのと名聞めいぶんがあるのとで
赤い花 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すると、聖護院のなにがしと、日頃は、もっともらしい名聞めいぶんもある一僧が
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お手柄の名聞めいぶんに相成ろうかと存じますが
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)