同郷どうきょう)” の例文
あの帆村荘六という奴は、わしと同郷どうきょうでな、ちょっと或る縁故えんこでつながっている者だが、すこし変り者だ。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
其翌年の春、彼女は同郷どうきょうの者で姓も同じく商売も兄のと似寄によった男に縁づいたことを知らして来た。秋十月の末、ある日丸髷まるまげった血色けっしょくの好い若いおかみさんが尋ねて来た。とめやであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
この老人は同郷どうきょうの出身ですが、衛生隊員として出征せられていたので、後に園長がX線で体内の弾丸たまを見たときにも立合い、また戦場の秘話を園長から聴きもした方です。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)