司権者しけんしゃ)” の例文
この道を歩み、並木の育ちをながめる者は、もう信長を天下の司権者しけんしゃと認めていた。認めないでもたたえぬはなかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
要するに、その二人も入れた一群の司権者しけんしゃと、当然、こんな事態のできるように出来ている組織と、その中のものが、そっくり腐り初めたのだと考えている。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
民衆の信頼を裏切った司権者しけんしゃはいくらもあり、すでに前室町むろまち政治のごときもそれだったが、さりとて民衆は、政治そのものをいやしめたり疑ったりはしなかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)