り候ては又気分変り、胸の内にはか冱々さえざえ相成あひなり、なかなかねぶり居り候空は無之これなく、かかる折に人は如何やうの事を考へ候ものと思召被成おぼしめしなされ候や、又其人私に候はば何と可有之候これあるべくさふらふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)