可哀かあ)” の例文
可哀かあいい娘が白いぬのを干しているのだろう、というほどの意で、「否をかも」は「否かも」で「を」は調子のうえで添えたもの、文法では感歎詞の中に入れてある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
一首の意は、夜の床でも可哀いい妻だが、昼日中でもやはり可哀かあいくて忘れられない、というので、その言い方が如何にも素朴直截ちょくせつで愛誦するにうべきものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「かなしき」は、心のせつに動く場合に用い、此処では可哀かあいくて為方しかたのないという程に用いている。「児ろ」の「ろ」は親しんでつけた接尾辞で、複数をあらわしてはいない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)