古玩こぐわん)” の例文
日本の版画を愛し、日本の古玩こぐわんを愛し、更に又日本の菊花を愛せる伶※れいへい孤寂こじやくのゴンクウルをおもへば、青楼の一語短なりといへども、無限の情味なきあたはざるべし。(一月二十九日)
陶器をペルシア、ギリシア、ワコ、新羅しらぎ南京古赤画なんきんこあかゑ白高麗はくかうらい等を蔵すれども、古織部こおりべ角鉢かくばちほかは言ふに足らず。古玩こぐわんを愛する天下の士より見れば、恐らくは嗤笑しせうまぬかれざるべし。
わが家の古玩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
当来の古玩こぐわんの作家を有するは或は古玩を有するよりも多幸なる所以ゆゑんなり。
わが家の古玩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)