古本こほん)” の例文
茝庭は毎月まいげつ一、二次、抽斎、枳園、柏軒、舟庵、海保漁村らをここつどえた。諸子は環坐して古本こほんを披閲し、これが論定をなした。会ののちには宴を開いた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
飛石のへりに日苔のしがみついた形、色の食い込みは紙魚しみのある一帖の古本こほんのように懐しいものである。
庭をつくる人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)