口合くちあい)” の例文
というような口合くちあいに近いものを除いては、他の大部分はすべて想像のくさりもしくは感動のメロディとも名づくべきものにさしかえた。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「左様さ、陶の方は、どう罵っても差支えない。材料が足りなければ口合くちあいをして事実を捏造ねつぞうしても構わん。しかしそれだけで無罪になりそうか」
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「あれさ、それだけはよして頂戴よ。ししょう……もようもない、ほほほ。こりゃ、これ、かみがたの口合くちあいや。」
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
魚のえらを離しさまに手の小指を少し怪我けがしけるが痛みは苦にせねど何がな口合くちあいがいいたさに南無三なむさん、手を鯛のえらでいわしたア痛い、これはえらいたい、さてもえらい鯛じゃといったが