叉手さしゅ)” の例文
凛々りんりんたる夫人の一声を浴びて、四人は思わず馬から飛び降りた。そして叉手さしゅの礼をとって起立していると、夫人は真白な指をきっと四人の胸にさして
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小さな叉手さしゅを出して「どれでも欲しいのをおすくいなさい」というのですが、なかなか思うようにすくえません。とうとう金魚屋さんに頼みました。落したら大変と、大事に提げて帰ります。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
男は、叉手さしゅの礼をしたまま、黙然と面をあげた。朱面黒眉こくびくち大きくはなひいで、容貌見るべきものがある。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これなん、孔明その人ならんと、玄徳は階下に立ち、叉手さしゅして、彼が午睡のさめるのを待っていた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関羽は、二夫人のかたわらに、叉手さしゅしたまま侍立していた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)