卑下慢ひげまん)” の例文
翌る日の朝、あの卑下慢ひげまんの用人川前市助が、明神下の平次の家へ、見識と物々しさを振り落したやうな顏で飛び込んで來ました。
よく肥つて、脂ぎつて、鼻が大胡坐おほあぐらをかいてゐる五十二三の眞つ黒な男ですが、調子が卑下慢ひげまんで、妙に拔け目がなささうで、申分なく用人摺れがして居さうです。
案内に立つた番頭の爲之助は、五十近い仁體、着實さうで腰が低くて、少しばかり卑下慢ひげまんな調子で、これが主人松平源左衞門世に在りし頃の味噌摺みそすり用人であつたとは思はれないほどです。
銭形平次捕物控:282 密室 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
案内に立った番頭の為之助は、五十近い仁体、着実そうで腰が低くて、少しばかり卑下慢ひげまんな調子で、これが主人松平源左衛門りしころの味噌摺みそすり用人であったとは思われないほどです。
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
いづれおとらず裕福なことと、今年の春死んだといふみさをの夫の小倉嘉門は、醜男ぶをとこでケチで、卑下慢ひげまんでお節介で、町内中の鼻つまみであつたといふこと、それにもかゝはらず、谷口金五郎と矢並行方は