千絵ちえ)” の例文
禅定寺ぜんじょうじ峠の上から、弦之丞げんのじょうと西東に立ち別れ、一足先に江戸へ入った万吉は、まだ何かの都合で、お千絵ちえ様にも会ってはいないらしかった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この隠し道を知ったとたんに、かれの心は、片恋のお米を不憫ふびんと思うことすら忘れていた。燃えているのは功名心、探秘心たんぴしん、それはお千絵ちえ様のためにである。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いずれ万吉はもうお千絵ちえ様と会って、銀五郎がああなったことや、また自分が来るべきことを、とうの昔に話して手筈をしているだろう——とばかり思ってここまで来た。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、弦之丞には、すでに、愛人として、お千絵ちえ様という者がある。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて、その後またどうしたろうか、お千絵ちえ様は?
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
千絵ちえ様?
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)