副島種臣そえじまたねおみ)” の例文
西園寺公は一先ひとまず良書であり、能書であるが、スケールは小さい。大胆とか放胆とかいう偉なるものはない。この点、副島種臣そえじまたねおみに如く者は他に一人もない。
人と書相 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
板垣退助いたがきたいすけ後藤象次郎ごとうしょうじろう江藤新平えとうしんぺい副島種臣そえじまたねおみ岡本健二郎おかもとけんじろう由利公正ゆりこうせい小室信夫おむろのぶお古沢滋ふるさわしげるらは、そのころ名のあらわれた人物であったが、民選議院設立の建白書を、左院に提出した。
とう律、みん律、しん律などを参酌して立案し、同年八、九月の頃に至ってその草案は出来上ったが、当時の参議副島種臣そえじまたねおみ氏はこれを閲読して、草案「賊盗律」中に謀反むほん、大逆のくだりあるを発見して
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
我輩はそれから藩の先輩たる枝吉杢助えだよしもくのすけについて国典を習った。この人は副島種臣そえじまたねおみの兄であって、藩中では最も目のあいていた人である。その言うところ、尊王論、国体論は生気溌溂はつらつたるものであった。
青年の天下 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
それは外でもない副島種臣そえじまたねおみ伯である。種臣伯は明治の聖代を通じて比肩するもののないまでに断然能く優れた書を書いている。けだしこれなどは異例とするものだ。
現代能書批評 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
当時の有力者板垣退助いたがきたいすけ後藤象二郎ごとうしょうじろう江藤新平えとうしんぺい副島種臣そえじまたねおみ由利公正ゆりこうせいらは、民選議院設立の建白書を、左院に提出し、明治十三年四月には、東北の名士河野広中こうのひろなか、土佐の名士片岡健吉かたおかけんきちの二人は
仮りに副島種臣そえじまたねおみ伯に較べますと、北方心泉が副島さんの足許にも寄らないのであります。副島さんの書はえらいものでありまして、いわば人為的な書でありながら、非常に自然に近い。
よい書とうまい書 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)