出目でめ)” の例文
「それはなかなか古いものでございます。作は判りませんが、やはり出目でめあたりの筋でございましょうかと存じます」
半七捕物帳:42 仮面 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
釣でもしていたか、竹ノ子笠に、碁盤縞ごばんじまのツツ袖水着みずぎ、笠のかげながら、大きな出目でめは、らんとかがやき、筋骨はさながらくろがねといえば言い尽きる。ひたと、ふなべりそろえつつ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
和蘭獅子頭オランダししがしらはもちろんとして、出目でめ蘭鋳、頂点眼ちょうてんがん、秋錦、朱文錦しゅぶんきん、全蘭子、キャリコ、東錦、——それに十八世紀、ワシントン水産局の池で発生してむこうの学者が苦心の結果
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「これはさるお旗本のお屋敷から出ましたもので、箱書には大野出目でめの作とございます。出どころが確かでございますから、品はお堅いと存じますが……。」
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)