冀北きほく)” の例文
冀北きほくの強国、袁紹えんしょうが亡びてから今年九年目、人文じんぶんすべてあらたまったが、秋去れば冬、冬去れば春、四季の風物だけは変らなかった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、伯楽でなければ千里の駿足を冀北きほくの野から拾い出せない。凡眼には名家の手に成る絶大の大作も反古紙と同様である。
秩父のおもいで (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「予、さきに、天子に奏して、汝を冀北きほく大将軍に封じ、よく河北の治安を申しつけあるに、みずから、叛乱はんらんの兵をうごかすは、そも、何事か」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「曹操がみずから攻めてくるようだったら、それは容易ならぬことになる。北方の袁紹えんしょうですら一敗地に滅び、冀北きほく遼東りょうとう遼西りょうせいまで席巻せっけんしたあの勢いで南へきたら?」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、冀北きほく征伐の征旅が、去年にも倍加した装備をもって、ここに再び企図もくろまれたのであった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「先頃からの賞として、冀北きほくの名馬千匹を賜わりたい。くれなければ考えがある」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遼西、遼東の地をあわせ定めておかなければ、冀北きほく、冀東の地も永久に治まるまい
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)