兼好法師けんこうほうし)” の例文
一休禅師いっきゅうぜんじの逸事長く世人を喜ばしめたるもこれがためにあらずや。兼好法師けんこうほうしが『徒然草つれづれぐさ』には既に多分の滑稽を帯び来れり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
兼好法師けんこうほうしの「徒然草つれづれぐさ」には、謡曲鉢ノ木の最明寺時頼が、旅すがら、足利家にも立ち寄っていたことが見える。夜物語りの酒のあとで、時頼が土地の織物について訊ねたりしている。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
紫式部むらさきしきぶ兼好法師けんこうほうしも三舎を避る和語の上手をして文を草せしめ、之を贈りて人の非を諫めしむると、訥弁鈍舌の田夫野老をして面前まのあたりことばを呈して人の非を諫めしむると、其の人の感情を動すいずれか深き
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)