共棲きょうせい)” の例文
相矛盾せる両傾向の不思議なる五年間の共棲きょうせいを我々に理解させるために、そこに論者が自分勝手に一つの動機を捏造ねつぞうしていることである。
すなわち二個の民族が同じ土地に共棲きょうせいしておったことを意味するのである。非常に重大なる史実を傍証するものである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この時代において男子は女の家に行って婚を求め、結婚した後も男子は女の家に通うのみで別に一家をはじめて共棲きょうせいすることはなかった。女の家に入聟いりむことなることもなかった。
私の貞操観 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
前住民といわゆる今来いまきの民とが、やや久しい期間平和に共棲きょうせいしていたことが、必ずやこういう解しにくい地名の、多く存在した原因でなければならぬ。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
少なくともある幸福な雀は、こうして冬になる前から共棲きょうせいしているのであった。