僞首にせくび)” の例文
新字:偽首
自分からもガラツ八を説いて、『いざ三々九度の杯といふ時、眞物ほんものの聟の錦太郎と入れ替はらせるから』といふ條件で、やうやく聟入の僞首にせくびになることを承知させたのでした。
きね太郎危ふしと見て、八五郎に言ひ含めて、身代りの僞首にせくびに仕立てたのですが、曲者を少し甘く見過ぎて、驅けつけるのが遲かつたばかりに、危ふく八五郎とお葉を死なせるところだつたのです。
「解らねえ聟ぢやないか、三々九度は僞首にせくびぢや勤まらないよ」
「それぢや僞首にせくびぢやありませんか、よくあるで」