健全たっしゃ)” の例文
その時分両親はまだ健全たっしゃで、親子三人暮し、家も貧しい方でもなくず普通の生活をしていた、元来がこういう温和な娘だったから
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
「それでは私はここにおっても仕事がありません。そんな生活くらしをする人達はいつも健全たっしゃで医者の厄介になる事がありませんから」
働く町 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お前は世間体というものを知ってるから、平生、吾が健全たっしゃな時でも、そんな事はおくびにも出さないほどだ。それが出来るくらいなら、もうとっくに離別わかれてしまったに違いない。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)