“佐野松”の読み方と例文
読み方割合
さのまつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「鈴川主水の女房はお葉だぜ——去つた女房にしても、その女と逢引を重ねてゐる佐野松さのまつが、憎くないことはあるまい」
中橋の佐野松さのまつへつれて往くこと度々であつた。しかし此癖好へきかうは恐くは源を抽斎先生に発したものであつたらしい。抽斎先生は佐野松の主な顧客であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
言ひにくかつたら、俺が代りに言つてやらうか、——お前は何にかのわけがあつて、時々姿を變えて、螢澤ほたるざはに通ひ、鈴川家の弟佐野松さのまつと逢つてゐた。