)” の例文
おんなじ処に立ちまって、くり返しくり返しおんなじ処を見まわしたので、そこいらに横たわっている数本の枕木の木目や節穴、砂利の一粒一粒の重なり合い
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
思わず二三歩走り出しながらギックリと立ちまって、汗ばんだひたいで上げつつ線路の前後を大急ぎで見まわしたが、勿論、そこいらに人間が寝ている筈は無かった。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
赤猪口兵衛はここで立まってチンと手涕をかんだ。そうして又ヨチヨチと歩き出した。
……俺はどうしてコンナ処に立ちまっているのだろう……踏切線路の中央まんなかに突立って、自分の足下をボンヤリ見詰めているのだろう……汽車が来たらき殺されるかも知れないのに……。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)