伯爵家はくしゃくけ)” の例文
「弟が伯爵家はくしゃくけへ若様のお学友にあがりますのよ、それで奥様がわざわざおいでくださいましたの。たくの母と五つしか違いませんのよ、お若いんでございますのよ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
中には伯爵家はくしゃくけの令嬢なども見えていましたが夜の十時頃ようやく散会になり僕はホテルから芝山内しばさんない少女むすめの宅まで、月がいから歩るいて送ることにして母と三人ぶらぶらとって来ると
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
とお父さんはいずまいを直して、大きな状袋の封をていねいにはさみで切った。伯爵家はくしゃくけからきたのである。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
晩も正三君は伯爵家はくしゃくけの楽しいことばかり話した。つらいからといって今さらお断わりもできない立場になっている。やり通す以上は家のものに無駄な心配をかけないほうがいいと思ったのである。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)