京紅きやうべに)” の例文
老僧はたゞ「ふゝん」と笑つて、輕蔑したやうに妻の顏を見てゐた。其の水引には京紅きやうべにが濃く塗つてあるので、紅白は紅白でも、紅の方は玉蟲色をして、一寸見たのでは黒と間違へさうであつた。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)