乃枝のえ)” の例文
「あわてるな馬鹿野郎、下手人は女だぞ。萬吉のなついてゐない繼母のお乃枝のえではないぞ。それからお燗番のお島でもないぞ」
藤屋萬兵衞の後妻で、年が二十以上も違ふお乃枝のえといふのは、御新造と言はれても不思議のない若さで、一人つ子の萬吉にもまゝしい中だつたのです。
藤屋万兵衛の後妻で、年が二十以上も違うお乃枝のえというのは、御新造と言われても不思議のない若さで、一人っ子の万吉にもまましい仲だったのです。
藤屋萬兵衞は五十四、その内儀のお乃枝のえは三十二の若盛りでした。