中風ちうふう)” の例文
「八年越しの中風ちうふうだ、身動きもむつかしからうよ、尤も近頃あの容體に少しに落ちないことはあるが」
お老婆さんは中風ちうふうで死ぬし、お絹さんはお嫁に行くを嫌やがつて裏の井戸へ飛込んでしまつた、お前は不人情で己れを捨てて行し、もう何もかもつまらない、何だ傘屋の油ひきになんぞ
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
左樣で、二年前からの中風ちうふうで、右半身が利かない上に、心持も昔の通りとは申されません。若い頃は本當に鬼だ、鬼三郎だと申された、剛氣の人でしたが、まだ五十を
中風ちうふうに當つた半病人ですが、末期まつごの苦しみはさすがに物凄く、物馴れた平次も思はず顏をそむけます。
旦那樣は二度目の中風ちうふうで御座いますから、おなほりになるものやら癒らぬものやらわかりませんが、道々考へ直して見ると、まだ亡くなつたわけでもないのに、あわててこの手筐てばこを持ち出したのは