中位ちゅうい)” の例文
るだけの事をちゃんと遣って、級の中位ちゅういより下にはくだらずに進んで来た。遊ぶ時間はきまって遊ぶ。夕食後に必ず散歩に出て、十時前には間違なく帰る。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
自由、博愛、平等を標語とするこの国には極く富んだものと極く貧しいものとが有るだけで、自分の郷国くににあるような中位ちゅういで快適な生活はないのかとさえ疑った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そして、上村も伊勢も、中位ちゅういまでこぎつけるのが精いっぱいだったし、本邸や中屋敷の者で、ずばぬけた腕を持っている者が、少なくとも十人以上いることも知っていた。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)