不浄門ふじょうもん)” の例文
旧字:不淨門
「奥座敷か奥庭で斬ったから、荒筵でもこもでもない、大納戸にでも入っている畳表に包み、荷造りの麻縄で縛って、不浄門ふじょうもんから持出させたのさ」
領主大膳亮が、あきらめられぬとあきらめたある夜、おりからの闇黒やみにまぎれて、一つの黒い影が、中村城の不浄門ふじょうもんから忍び出て城下を出はずれた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
来合せた井上河内守は、この遭遇が、折よくもあり折しくもありました。なぜかというに、彼は前日から命をうけて、切支丹屋敷のお蝶の体を、平河口の不浄門ふじょうもんでうけとることになっていました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐそこに、不浄門ふじょうもんの口が見えたからである。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)