不出来ふでか)” の例文
旧字:不出來
これほどまでみさをといふものを取止めて置いただけあはれんで遣つてくれ、愚鈍ではあるが子供の時からこれといふ不出来ふでかしも無かつたを思ふと何か残念の様にもあつて
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ただしその笑い方は、他人の失策を嘲けったのではなく、親類の不出来ふでかしを面白がったように見える。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お力などと名ばかりもいつてくれるな、いはれると以前もと不出来ふでかしを考へ出していよいよ顔があげられぬ、何のこの身になつて今更何をおもふ物か、めしがくへぬとてもそれは身体からだの加減であらう
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)