下町気質したまちかたぎ)” の例文
下町気質したまちかたぎよりは伝法でんぼうな、山の手には勿論縁の遠い、——云わば河岸のまぐろすしと、一味相通ずる何物かがあった。………
魚河岸 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
母親は日頃娘がひいきになるその返礼という心持ばかりでなく、むかしからの習慣で、お祭の景気とその喜びとを他所よそから来る人にもわかちたいというような下町気質したまちかたぎを見せたのであろう。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)