下物かぶつ)” の例文
「このみせ下物かぶつ、一は漢書かんしよ、二は双柑さうかん、三は黄鳥くわうてうせい」といふ洒落た文句で、よしんばつまさかな一つ無かつたにしろ、酒はうまく飲ませたに相違ない。
客があって酒宴になっても以前のように下物かぶつの品数がそろわない、豊かな琵琶湖の鮮をひかえているのに、焼き鮒とか干魚とか漬菜などという質素なものが多くなった。
日本婦道記:尾花川 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)