上山かみのやま)” の例文
上山かみのやまは温泉場で、松平藩主の居城きよじやうのあつたところである。御一新ごいつしん後はその城をこはして、今では月岡つきをか神社の鎮座になつてゐる。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
上山かみのやままで往くと、形勢が甚だ不穏なので、数日間淹留えんりゅうした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
自分は二月一たび山形県上山かみのやま町に行き、弟が経営してゐる旅館山城屋に泊つて、疎開の相談をしたのであつた。
三年 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
十三歳の時に上山かみのやま小学校の訓導が私等五人ばかりの生徒を引率して旅に出た。第一日目は上山の裏山越をして最上川畔のドメキ(百目木)といふところに一泊した。
最上川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
六歳ぐらゐになつた僕を背負つて、父は早坂新道はやさかしんだうを越えて上山かみのやまへ向つて歩いた。雨あがりの道はよく固まつて、天がよく晴れてもちりの立ちのぼるやうなことはない。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
天気よし。茂吉直吉おみゑ上山かみのやま行。九銭茂吉筆代。十月廿一日。天気よし。七銭茂吉下駄代げただい。廿二日。天気吉。広吉茂吉は半郷学校え天子てんし様のシヤシン下るに付而行ついてゆく。熊次郎紙つき。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)