七生しちしょう)” の例文
人に歌を読みかけられて返歌をせぬのは七生しちしょうやみに生れるなどということわざのある日本の人、まして匡衡だって中古三十六歌仙の中に入っている男だから
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
恨みはこちらの方にこそあるので、婆が自分を七生しちしょうまでのかたきかのように狙っているのは、まったく、感情と誤解のこぐらかりにもとづくので、それを解けばわかるのだ。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その頃は自分もやはり若くて美しくて、女にすかれて、道楽して、とうとう実家を七生しちしょうまで勘当かんどうされてしまったが、今になってはその頃の事はどうしても事実ではなくて夢としか思われない。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)