一重々々ひとえひとえ)” の例文
雪の夜路よみちの、人影もない真白まっしろな中を、矢来の奥の男世帯へ出先から帰った目に、狭い二階の六畳敷、机のわきなる置炬燵おきごたつに、肩まで入って待っていたのが、するりと起直った、逢いに来たおんな一重々々ひとえひとえ
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)