一本寺いっぽんじ)” の例文
そう思いながら、彼は自分の父がよく相談に出かけた、郷里くに一本寺いっぽんじの隠居の顔を頭の中にえがき出した。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一本寺いっぽんじの隠居に似たひげのある爺さんはもとより坐っていなかった。彼は再び立ち戻って、身の上判断文銭占ぶんせんうらないという看板のかかった入口から暖簾のれんくぐって内へ入った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)