一曲ひとまが)” の例文
さて手を取つて、其のまゝなやし/\、お表出入口の方へ、廊下の正面を右に取つて、一曲ひとまがり曲つて出ると、杉戸すぎといて居て、たたみの真中に火桶ひおけがある。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
薄ボンヤリした常夜燈じょうやとうを便りに廊下ろうか一曲ひとまがりすると、そこに福田氏の寝室なり書斎なりのドアがある。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
三里程来て一曲ひとまがりすると、向ふの沼の中に痩村やせむらが見えて、其処から烟が立つてゐる。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
トンネルみたいな廊下を一曲ひとまがりすると、鉄格子で区切られた十坪程の広い部屋があった。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)