“ろうり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
浪裡25.0%
籠裏25.0%
籠裡25.0%
老狸25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ると、白皙長躯はくせきちょうく浪裡ろうり張順ちょうじゅんを思わせるようない男、一とわたり、一座の驚き呆れる顔をたそがれの色の中に見定めると、腹巻をクルクルと巻き直して、丸めた着物を小脇に掻い込むと
限界もなき蒼空そうくうを住家となし、自在に飛揚し、自在にさえずり、食を求めてついばみ、時を得て鳴き、いまだ人間の捕らえて、籠裏ろうり蟄居ちっきょせしむるがごときことあるを知らざりき。
妖怪報告 (新字新仮名) / 井上円了(著)
想ふに秀吉往々威喝を用ゐて人を屈するを慣術とすれども、亦敢て籠裡ろうりの小禽をば無益に殺生せん暴人にはあらじ。家康の智いかで之れを識らざることのあるべき。
大久保湖州 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その近傍に瓢山ひさごやまと名づくる小山がある。古来その山に老狸ろうり住して、夜中、舟を空中に現出するといい伝えておる。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)