“ゆごう”の漢字の書き方と例文
語句割合
癒合100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
王の血がフンドの指の間を伝い上って彼の傷へ届いたと思うと、傷は見るまに癒合ゆごうして包帯しなくてもよいくらいになった。……王の遺骸はそれから後もさまざまの奇蹟きせきを現わすのであった。
春寒 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「六度二分。……ハハア……昨日きのうとかわりませんな。貴方も経過が特別にいいようです。スッカリ癒合ゆごうしていますし、切口の恰好も理想的ですから、もう近いうちに義足の型が取れるでしょう」
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
今日こんにちまでの経過からして、すべての創口きずぐち癒合ゆごうするものは時日であるという格言を、彼は自家の経験から割り出して、深く胸に刻みつけていた。それが一昨日おとといの晩にすっかりくずれたのである。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)