“みとびら”の漢字の書き方と例文
語句割合
御扉100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
堂守の妙達とは、日ごろ顔見知りだったので、御扉みとびらを開けてくれたのも、薄い夜のものをかしてくれたのも、みな彼の親切だった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「百夜はおろか、二百夜、千夜、出離の御功力みくりきをたまわるまでは、振り向いてはならぬ。まだ真向まむきにこの御扉みとびらのうちへこそ向え」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十二けん四面の新しい木の香にかがやいている伽藍がらんには、紫の幕が張りまわされ、開かれた内陣の御扉みとびらには、おびただしい灯りが耀かがやいて見える。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、黄昏たそがれの寒鴉かんあの声を聞きながら、範宴も、法隆寺へ帰って行った。そして、山門の外から本堂の御扉みとびらを拝して、弟のために、祈念をこらした。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああ、では、あの御扉みとびらのうちに寝かされておりましたのか。妙達さん、お礼のことばもございません」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)