“へんくつじん”のいろいろな漢字の書き方と例文

(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。

頭脳の明晰（めいせき）なことは確かとしてもその頭脳に自信をもちすぎた、人づき合いの悪い男、議論においてけっして他人（ひと）に負けない男、たかだか強情我慢の偏窟人（へんくつじん）としてしか知られていなかった。

李陵 (新字新仮名) ／中島敦(著)

強武者（こわむしゃ）の平ノ忠盛すらも、若さをしぼませたのも、むりはない。忠盛が、長の年月（としつき）、偏屈人（へんくつじん）に見えたのも、今にして、察しがつく。亡（な）き白河上皇も、思えば、罪なお遺物（かたみ）をのこされたものかな

「いえ、行末は一緒にしたいと爺（とつ）さんが口ぐせに言つて居りましたが、兄さんは何分にも變屈人（へんくつじん）で、私は恐ろしくて恐ろしくて」